| 友人越さんから餅搗に来ませんか、と誘われた時すぐに頭をかすめたのは、毎年正月の記事に老人がモチを喉につまらせ亡くなったとか、入れ歯や歯をこわした等、
いいイメージがない。わが身にふりかえれば、寒空で禿頭がフルエながらの餅搗は、ぞっとしない。
だが最近頓(とみ)に男振りを上げエビス神の如き顎(あご)ヒゲの好漢孝夫さんと大黒天の笑顔そのままの典子奥さんから次回そばの会にお呼びがかからなくなっては一大事。ここは無理しても厚着重ね着で参加。10cmほどの新雪かきわけ、いざ八重原の餅搗へ。
来てみれば三日間断続の雪もピタリとやみ、天気晴朗、ぬける青空。さて越夫妻率いる黒岩大高尾沢ヨネヅ各夫妻、日頃夫婦仲の悪いは、すっかり棚に上げ、この日ばかりは全員仲睦まじく家庭円満の手本の様な五組の夫婦。臼洗う人餅をつく人餅をのす人アンコキナコつける人食卓を用意する人等、ご亭主もエプロン姿で越ご内儀の命令に一言も背かず、手打うどんまで捏(こね)あげた。
ストーブ前の食卓は、あまりの美味しさに超満腹の夫婦連。体の利かぬ分だけ饒舌駄洒落は冴え、爆笑に次ぐ爆笑の大団欒。ご子息草太光春拓野君達は、この様子をどの様に感じたか。日本の老人問題の将来が、かかっている。
|