金山町通りから我家玄関まで、歩数で14歩。幅一丈(はばいちじょう)の路地は最近隣に家が出来て一寸暗くなったが、蜥蜴(とかげ)、蛙、鳥、そして虫達が集まっている。車の通る道路から僅か14歩の小さな路地に、地を這うものから空とぶ生き物までが、生きている自然のしくみ、生態系におどろくばかりだ。
ところで、生き物達が路地世界で、仲よく生息しているか、啀み(いがみ)あっているのか、全く知らないが、毎年季節になると、それぞれが姿をみせてくれるのは、ここが好きだからか――平和な路地小宇宙の謎だ、と思っている。
話は変わるが、父の妹で明治42年生れのミサ叔母さんの“ナスおやき”が激ウマの話を書いたことがある。
叔母さんの長男と三人姉妹は、近所に嫁し近くに住んでいるので、家は大家族の体をなしいつも賑やかだ。
しかも三人娘…といっても60近いオバンだが…と長男の嫁が、今どき珍しい程仲良しで和やか。そのムスメ達に囲まれたミサ叔母さんの満足気な顔をみると、
家族はかくありたい、の範をみる気がする。
元気とはいっても94歳。世話は女ざかりの四人のパワーと旦那衆、孫達のシフトで、磊落(らいらく)かつ辛辣(しんらつ)、屈託ない明るい雰囲気をつくりあげて来た家風が、自然体の介護。
何と温かい。お見事と言うばかり。
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