スクェア ピアノ
 
絵と文 米津福祐

2003年8月2日号

 …体育館兼用講堂にボロボロのピアノが置かれていた。ふたのチョウツガイは取れ、鍵盤ははがれ、弦はズタズタに切れて、もう全く楽器の体裁はなく、焚物(たきもの)にもならず、ただ捨てられているという様子だった…。『上田高等学校校史』宮下貞夫氏文の抜粋だが、確かに五十余年前、講堂の片隅に曰(いわ)くありげな四本足で四角の古ピアノが、鎮座していた。
 当時のボロ校舎にふさわしいボロピアノだったが、なぜか威風堂々の風格があり、今も鮮明に覚えている。
 先日ささやアートフォーラムで音楽通の北條彰一氏から前出の文を紹介され、 日本に数台の貴重なスクェアピアノとわかった。…モーツァルトやベートーベンの時代のピアノと思えば良い…と同氏が書いている。
 二百余年も昔の楽器だ。 感慨に耽っていると電話が鳴った。弦楽器製作者・中沢氏からだった。葉加瀬太郎の世界「ヴァイオリン講座」にむけてきみ子奥様と大奮戦中とのことだ。長野国際音楽祭「夏の祭典」で、郷里上小地方へ貢献したい優しい思いが、風邪気味の中沢氏の声からヒシと伝わり、思わず書いてしまった。古ピアノの導きかも。

● 17日(日)

 葉加瀬太郎の世界「ヴァイオリン講座」
 上田市民会館 
● 19日(火)
 ミニコンサート カフェ・ド・グランピア
  共に問合せ TEL0268-24-7657

 
 
 
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