大阪探訪浪花の細道
(その2)

 

絵と文 米津福祐

2004年1月31日号

 二年ぶりの大阪訪問。今日は逸翁美術館にいる。阪急電鉄創業者で東宝社長、近衛内閣の商工大臣等を歴任した小林一三(逸翁)氏の旧宅雅俗山荘を美術館にしたものだ。良質な趣向が洋風建物や内装又庭に凝らされ、関西財界人のセンスを偲ぶことが出来る。同氏収蔵美術工芸品約三千五百点。特に蕪村呉春コレクションでは国内有数とか。不思議な巡り合わせで前回も大阪市立美術館で蕪村展をみた。
 今回も「没後二二〇年蕪村特別展」に出合った。
 修業時代の漢画の精密描写や、大胆で力強い省略描写「一本菊図」など、ずらりと壁に並ぶ作品群を眺めていると、書体はわからないが、絵は時を越えて語りかけて来る。
   又平に逢うや御室の花ざかり   蕪村
 軸装「又平に」句自画賛をみていたら、大阪に移住して十年、融通無碍に生きる同行の友、善坊の飄々たる姿が、浮世又平と重なった。
 帰りに銘酒呉春をやっと探しもとめ、市立美術館で開催中のわが二紀展大阪会場を表敬訪問。
 折から天王寺公園名物テント小屋カラオケが、最後の足掻(あが)きの様に煩(うるさ)い。これも大阪の文化だという人がいたが、一寸淋しい。
  大阪はよいところなり橋の雨   岸本水府

 
 
 
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