大阪探訪浪花の細道
(その5)

京都伏見寺田屋

絵と文 米津福祐

2004年3月13日号

 大河ドラマ新選組で話題の伏見寺田屋騒動の現場から、を書こうと見物に来たのだが、一寸書店をのぞくと、新選組関係小説や歴史書物が何十種類も山積みされていて、香取近藤勇局長ニワカファン程度の私は、すっかり気をそがれてしまった。ともあれ京阪電鉄で伏見の中書島駅を下車。
 私は伏見と聞くとナゼか黒五ツ紋の留袖が思い浮かぶ。理由はない。鳥羽伏見の戦い、灘と並ぶ天下の酒どころ。これが幕末維新、 黒と朱、留袖の連に繋がる。
 駅を降りると酒蔵のような、酒の香りのするような、重みのある情景はやはり留袖のイメージが似合う中書島の街なみだ。
 それにしても小さな舟宿寺田屋で起きた事件が、後世こんなに賑々しい物語になるとは、当の女将のお登勢さんもお龍さんも思わなかったのではないだろうか。
 参観券に「伏見寺田屋坂本龍馬、昔白刃(しらは)のうらばしご…」とある。このせまい部屋で、段平(だんびら)をよく振り回したものだ。
 今朝出がけに善坊が見せてくれた、落語ビデオ「三十石舟」を彷佛させる舟乗場が運河に整備され、「舟がでるぞ〜い」と聞こえて来そうだ。さて幾つかの酒蔵めぐりの度に振る舞われる吟醸一合で、足どりもいよいよ軽く、お待ちかね、飛田新地探訪は以下次回。

 
 
 
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