伊那ツアー(U)

夏の野菜

絵と文 米津福祐

2009年8月29日号

 伊那の帰り道、霧ヶ峰へまわった。昨夜までの雨は止んだ。
“夏山を洗ひあげたる雨上る”
 つる女の句そのままだ。
 青空にグライダーが飛び、ニッコウキスゲが緑の風にゆれルンルン気分だった。
 だが、頂上で車を降りて気がついた。車々の波。都会がそっくり高原に移動して来た感じ。売店レストラン勿論トイレも人人人。空き地も道も駐車出来る所は全て車で埋まっている。高原満喫どころか、都会の雑踏にまみれた思い。写生なんて気には当然ならない。
 さっさと退却。が頂上から麓まで車の大渋滞で動きがとれない。ラッキーなことに地元の宏方さんのお陰でウラ道ヌケ道辿ってやっと武石へ下りた時、本当の高原に到着した思いがした。
 ここまで書いて何年か前、車山で同じ体験記を書いたのを思い出し不安になった。が調べないことにする。今日まで自分の過去の経験を生かした日々ならもっとましな人生だった筈だ。同じ間違いを性懲りもなく繰り返すわが人生。
 信毎「けさの一句」草田男の句が身に沁む。
“滂沱たる汗のうらなる独り言”

 
 
 
 
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