創刊30年記念
「私話私絵」再登場

「街」 (6号・水彩)

*1988年4月の創刊時より「週刊上田」のフロントを飾り、軽妙洒脱な文章とともに人気を博した画家・米津福祐さんの「私話私絵」に再登場いただきました。

2018年4月21日号

  

 焙茶(ほうじちゃ)、大好き

 朝昼の食後、焙茶を飲む。気がつけば十年程の習慣だ。

 前は珈琲・緑茶だった。八十を過ぎて、珈琲は利尿作用てきめんで煩わしい。用事や旅で県外に出た時、先々でおいしい焙茶を探すのが楽しみだ。

 とは言っても、所詮番茶じゃないかと、読者のみなさんは思うに違いない。ところが、なかなか深い。金沢の親友の個展で飲んだ棒茶、京都の日本茶専門店「一保堂」の焙茶など本当に美味しい。

 先年、天皇皇后両陛下上田行幸の折、我店ささやでご昼食の栄を賜った。「…休憩の部屋にお入りになったら焙茶を」というご注文に、数年来おいしい焙茶を探し求めていたことが幸いし、自信を持ってお出しすることができた。 
     
 最近では全国チェーンの珈琲店に焙茶ラテがある。ありがたい。なによりおいしい。自販機にも焙茶ラテがあるよ、と友。

 先日、都内有名ホテルのラウンジで、焙茶ラテを注文した。
「メニューにはありませんが、ご用意させていただきます」
 ―流石(さすが)、一流ホテルの接遇だ。

 だが、お代も流石だったことを付け加えておく。

                 絵と文 米津福祐

 



 
 
 
 
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